このギャラリーは、ほんの小さな「好き」という気持ちから始まりました。
わたしは以前、印刷の仕事に携わっていました。営業をしながら、カメラマンとして撮影もする日々。学校の卒業アルバムやスクールフォトのほか、個人作家の作品集や、アーティスト・イン・レジデンスの図録、ポスターなどの制作にも関わってきました。
その仕事のなかで出会った作家さんたちの作品が――とりわけ彫刻が――本当に素晴らしくて。自分のまったく知らないところに、こんなにも豊かな感性を、かたちにできる人たちがいるのか。そう知ったとき、心から感動したことを、今でも覚えています。
幼いころ、わたしは画家になりたいと思っていました。絵を観たり、美術にふれたりする時間が、ずっと好きだったのです。巡り巡って、四十歳を過ぎてから、芸術の世界の方々と出会い直すご縁をいただきました。そして昨年末にその会社を離れ、いまはこのギャラリーに力を注いでいます。彼らの作品を、もっと多くの人に届けたい。その願いが、Lee Loo のはじまりです。
「広めたい」と思った、いくつかの理由
広めたい理由は、ひとつではありません。
かつてのわたしがそうだったように、知るきっかけさえあれば、もっと多くの人がこの作品に出会えるはずだということ。個人で創作を続ける作家さんたちの活動を、どうしても応援したかったこと。自分が「欲しい」と思う作品があるように、世界のどこかに、彼らの作品を求めている人がきっといると信じていること。有名か無名かは関係なく、アートをもっと自由に、暮らしのなかへ取り入れてほしいと思ったこと。そして何より、「本物だ」と思える作品を、知ってほしかったこと。
そんな想いがいくつも重なって、このオンラインギャラリーは生まれました。
「隠れた名作」「to someone, somewhere」に込めたもの
Lee Loo に集う作家たちのことを、知っている人は、まだ多くないかもしれません。
たとえ業界で名が知られ、賞を受けるような方であっても、芸術だけで生計を立てることは、今もとても難しいのが現実です。個性が認められる時代になってきたとはいえ、あまりに独特な世界観や、ときに「奇抜」と映る表現は、岡本太郎のように世界的な存在にでもならない限り、万人に受け入れられるとは限りません。
それでも――いえ、だからこそ。そんな彼らの、感性あふれる作品を「わたしは、これが好き」と思ってもらえる。その小さなきっかけを、つくりたいのです。そして願わくは、「手に入れたい」と思ってもらえたら。
万人でなくて、いいのです。世界のどこかの、たった一人でいい。
その一人とのご縁が、作家にとっての励みになり、次の創作への意欲につながっていきます。そして、日本の作家たちの丁寧な手仕事を、世界中のひとりでも多くの人に知ってもらえたなら。「隠れた名作に出会える」「to someone, somewhere(世界のどこかの誰かへ)」という言葉には、そんな祈りを込めました。
このサイトを訪れてくれた、あなたへ
まずは、「観ているだけでも楽しい」と感じてもらえたら、それだけで嬉しいです。
観て、心が動いて、「欲しい」と思って、手元に迎えてもらえたなら――それはもちろん、この上ない喜びです。けれど、これまで知らなかった世界にふれてもらえるだけでも、わたしには十分なのです。
もう少しだけ欲を言うなら。ほかの誰かがどう思おうと、「わたしは、これが好き」という、自分の感性を大切にしてほしい。Lee Loo をきっかけに、芸術という世界を、もっとカジュアルに、もっと自由に、楽しんでもらえたらと願っています。
作品の公開は、もう少し先になります。いまはその準備を、ひとつずつ整えているところです。このブログでは、作家たちのこと、作品が生まれる背景、そしてオープンまでの道のりを、少しずつお届けしていきます。完成した姿だけでなく、出来上がっていく時間も、どうか一緒に楽しんでもらえたら。
世界のどこかの、たった一人のあなたへ。その出会いが訪れる日を、心待ちにしています。
── Lee Loo 池田 恭子

