あわのアートフェスとの出会い

AWANO夢咲くART FESTIVAL 旧粟野中学校 会場 鹿沼市 アートを訪ねて

栃木県の鹿沼市に、「AWANO 夢咲くART FESTIVAL」というアートの祭典があります。約10年前から続くこのフェスに、実はわたしも今年から、実行委員として関わることになりました。この秋の開催に向けて、その魅力を何回かに分けて、少しずつお話しさせてください。連載の一回目は、わたしとこのフェスとの出会いから。

あわのアートフェスとの、はじまり

わたしがこのフェスと出会ったのは、まだ印刷会社に勤めていた頃のことです。2022年、担当の引き継ぎの話が出て、アートフェスの印刷物や撮影の仕事に、前任者と一緒に同行するようになりました。

今でも印象に残っているのは、粟野中学校の一階にある、少し広いロビーです。そこには、彫刻をメインに、多くの作品が展示されていました。木彫や陶彫など、大きな作品から小さな作品まで。とても目をひく空間だったのを、よく覚えています。

その現場で出会ったのが、田中 茂先生でした。田中先生は、このアートフェスの運営責任者。Lee Loo でもご紹介している陶彫作家でもあり、田中先生とのご縁は、実はこの AWANO から始まっています。

実行委員として関わることになった理由

2025年いっぱいで印刷会社を退職することになり、その折に、フェスの運営を手伝ってほしいというお話をいただきました。それが、実行委員として関わるようになったきっかけです。

引き受けたのには、わたし自身の理由もあります。実は子どもの頃、わたしは画家になりたいと思っていました。もともと、芸術品を鑑賞するのが好きなのです。写真の仕事をしていた頃には、撮影の腕を上げたくて、芸術祭に足を運んではたくさんの作品を見て、作家の想いを汲み取って撮影していました。そうしているうちに、撮ることだけでなく、作品そのものを観て楽しむことにも、興味を持つようになっていきました。

新潟の大地の芸術祭や、群馬の中之条ビエンナーレにも、定期的に出かけていたほどです。だからこそ、こういうアートフェスをもっと多くの人に知ってほしい——その想いが、お手伝いを決めた理由です。

粟野という土地と、旧粟野中学校

会場の中心になるのは、鹿沼市の粟野地区。鹿沼市と合併して、まだ20年ほどの町です。

この地区にある粟野中学校は、栃木県内でも芸術教育に力を入れている学校です。彫刻家を招いて鑑賞の授業をしたり、廊下やロビーに個人作家の作品が並んでいたり。中学生が、日常のなかで自然にアートに触れられる環境があります。

そして会場となる旧粟野中学校の校舎は、2016年に国の登録有形文化財になった建物です。ロケ地としても使われるほど、建築としても貴重なもの。その旧校舎に、アート作品が展示される。場所そのものが持つ空気と、作品とが重なり合うところに、このフェスの大きな魅力があると感じています。

AWANO夢咲くART FESTIVAL 旧粟野中学校 会場 鹿沼市

AWANO ならではの、作品との距離

多くのアートフェスは、公募で集まった作家の展示が中心です。けれど AWANO は、田中先生とご縁のある作家を少人数だけ招き、その一人ひとりの作品を、じっくり見てもらう。学校や、建築として美しい建物(年によってはお寺も会場になります)に作品が並ぶ、会場と作品の珍しい組み合わせです。

さらに、古民家の蔵を使った「蔵のギャラリー(カラフルメリィ)」には、これまでフェスに参加してきた作家の作品を、実際に購入できるスペースがあります。多くの芸術祭では、買えるのはグッズやレプリカがほとんどです。作品そのものを、その場で迎えられる場が用意されているのは、少人数の作家をじっくり紹介する AWANO だからこそだと思います。

この秋、栃木の人へ

まず知ってほしいのは、栃木県内に暮らす方々です。正直に言うと、わたしの知人でも、このフェスを知らない人が少なくありません。まだ、じゅうぶんには知られていないのだと思います。

栃木にも、約10年前から続く、こんなに豊かな芸術祭がある。会場でも、作家でも、ワークショップでも、マルシェでも、飲食店でも——なんでもいい、ひとつでも「好き」を見つけてもらえたら、これほど嬉しいことはありません。次回は、実行委員として見えてきた、開催までの準備の風景をお話しします。

AWANO 夢咲くART FESTIVAL 2026 開催情報

  • 旧粟野中学校・蔵のギャラリー(カラフルメリィ):2026年11月8日(日)〜11月22日(日)10:00〜16:00(月・火 定休)
  • 鹿沼市立粟野中学校:2026年11月11日(水)〜11月22日(日)10:00〜15:00(日・月・火 定休)
  • チケット:全会場共通 1,000円/各会場入場 500円(中学生以下無料)
  • このほか、アートステージ・マルシェ・ワークショップ等も予定(詳細は公式SNSにて随時公表)
  • 主催:特定非営利活動法人 花と芸術の街あわの実行委員会
  • 公式サイト:https://awanoartfestival.com/

── Lee Loo 恭子

タイトルとURLをコピーしました